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​職人の技が息づく
    「傘の木棒」
           ができるまで

一本の傘に温もりと品格を与える「木棒(中棒)」。厳選された天然木が、
熟練の加工を経て美しい一本の軸へと生まれ変わるまでの物語をご紹介します。

傘の骨組みを支える「木棒」の製作において、最も難しく、かつ重要なのが木材の管理です。

天然木は常に呼吸をしており、天候や湿度によって繊細に変化します。

雨が続き湿気が多くなると、木が水分を含んでわずかに膨らみます。

この「太り」を計算に入れなければ、傘の開閉がスムーズにいかなくなります。

逆に乾燥しすぎると木が「痩せ」、ヒビ割れや強度の低下を招く原因となります。

私たちは、その日の気温や湿度を肌で感じ、木の状態を見極めながら、コンマ数ミリ単位で加工を調整します。

「自然のものを、いかに丁寧にコントロールできるか」。

この徹底した管理こそが、一本一本の木棒に命を吹き込み、長く愛用いただける品質を生むのです。

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1. 厳選された原木の選定

傘の背骨となる木棒には、しなやかな強さと美しさが求められます。
私たちは、木目の美しさや耐久性に優れた、
主に京都の舞鶴産「樫(カシ)」の天然木を厳選。
舞鶴特有の厳しい寒暖差の中で育った樫は、引き締まった美しい木目が特徴です。
樫ならではの重厚感溢れる質感と、一本一歩、木のクセを見極める熟練の技。
そこから生まれる木棒は、一生ものと呼ぶにふさわしい風格を纏います。

2. 繊細な「丸棒」への削り出し

四角い角材を、専用の機械で一点の狂いもなく円柱形へと削り出します。
木材の状態に合わせて刃の当たりを調整し、
滑らかで均一な太さの丸棒に仕上げる工程は、まさに職人の経験が成せる技です。
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3. 木肌を整える入念な研磨

削り出したばかりの木肌を、サンドペーパーで丁寧に磨き上げます。
この工程を繰り返すことで、手に吸い付くような心地よい肌触りが生まれます。
傘を広げた瞬間の手触りにまで、徹底してこだわります。

4. 自然の呼吸を読み、完璧な一本へと導く
「矯め(ため)」と「微調整」

天然木の中棒は、湿気や乾燥で日々変化します。
当社では、削りや染色などの各工程間で一本を仕上げるまでの間に何度も「矯め」と呼ばれる矯正を重ね、反りを丹念に正します。
この手間暇を惜しまない繰り返しの作業が、天然木ならではの温かみと、常にスムーズに開閉できる高い信頼性を生み出しています。
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5. 美しさを守る染めと仕上げ

木の風合いを最大限に引き出すため、コーティングや染色を施します。
ただ色を染めるだけではなく、湿気から木を守る耐久性を高める役割も担っています。奥深い光沢が、傘全体を上品に引き立てます。

6. 心臓部「はじき」の組み込み

傘を固定するための大切な部品「はじき」を取り付けるための溝を刻みます。
溝を刻む工程は、ミリ単位の精度が求められ、はじきの素材には強靭な鋼の鋼硬線を用いた「線はじき」を採用。
木棒の強度を保ちつつ、線はじきならではの繊細な細工を施すことで、カチッと心地よい操作感と、木棒本来の美しさが際立つ上質な質感を実現しています。
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7. 真鍮を削り出し伝統を刻むろくろ

骨を束ね開閉を司る「ろくろ」には、今では希少な真鍮を採用。
主流の樹脂製ではなく、自社で金属を削り出し溝を刻む技法は、業界でも類を見ない伝統の継承です。
木製の中棒と真鍮が生む心地よい重厚感は、軽量化が進む現代において、本物だけが持つ圧倒的な高級感を放ちます。

・・・お客様へのメッセージ・・・

天然木を使用しているため、一本一本、木目や表情が異なります。
使い込むほどに手に馴染み、深みを増していく。
そんな「世界に一つだけ」の木棒の風合いをお楽しみください。
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